ビルメンテナンス業界の状況 2022

　本社常勤従業員の「不足」+「やや不足」の回答は合計で65.7%となりました。コロナ前の前々回調査では、合計79.5%あった不足感が前回のコロナ後から大幅に減少しております。

　これは、コロナによって発注元企業様等の収入が減少したことや、在宅でのリモートワークで建物の使用者が減ったことによる業務仕様の減少によって、人手が以前ほど必要とされなくなった為であると考えられます。

　本社パートタイマー（主に1日の勤務が短時間の日常清掃作業員などが想定される）の「不足」+「やや不足」の回答は合計74.6%で前回調査時の77.2％と比べると多少不足感が薄れてはいますが、引き続き高い水準にあります。

　次に本社従業員の募集環境ですが、「著しく募集しにくい」+「やや募集しにくい」の回答を合計した「募集しにくい」の合計が70.5%と前回の66.0%から増加しています。

　昨年はコロナによって、解雇・雇止めされた他業種の人材が流入してきたため、「募集しにくい」のポイントが下がりましたが、これは一時的な外部環境の変化が要因として挙げられました。その外部環境が少しづつ元に戻りつつあるためか、再び「募集しにくい」ポイントが上昇しております。

　これら人材の「不足感」や募集についての「しにくい感」のポイントが継続して高いのは、現役世代人口が減少している事に加え、ここ数年来の売り手市場により、求職者がより条件の良い職場へ流れてしまっていることも要因の一つと考えられます。

　そして、それに追い打ちをかけるように、年々増額されていく最低賃金に対して、コロナの影響により売上・利益が減少している発注元との増額交渉において、良くて据え置き、悪ければ減額となり、人材募集時には魅力的な金額を提示できず、従って人材の応募がないといった事情も推察できます。

　「ビルメンテナンス業の悩み事について」のアンケート回答でトップだったのは「現場従業員が集まりにくい」(77.8%）、第2位は「現場従業員の若返りが図りにくい」(75.5%）でした。

　これにつきましては、ビルメンテナンス業界だけの問題ではなく、日本全国どの業界でも切実な問題であります。根本は先程も申し上げましたが、少子高齢化による現役世代人口の減少が一番の原因かと存じます。

　特に、ビルメンテナンス業界のメイン業種である「清掃」は人の手作業でないと出来ない箇所が多く、今後どれだけAI技術でカバーできるようになるかは不明です。

「AI⇒出来る箇所の清掃」+「人⇒AIの出来ない箇所の清掃と全体の最終チェック」という体制は現在も少しづつ増加しつつありますが、まだまだ大部分は人の手による作業が必要ですので、今後も人材の需要は変わらず必要であることが見込まれます。

　今回も、過去の報告書の結果同様、人手不足が業界にとっての最重要課題となっております。

　対策と致しましては、各会社様が、自社を「魅力のある会社にする」ことではないかと考えております。

言葉でいうのは楽ですが、実際それに取り組むとなると大変なご苦労を伴うかもしれませんが、小手先で何とか解決しようとされても根が深く、一朝一夕でどうにかできる問題ではございません。

　具体的には、例えば、先述致しましたとおり、今の状況下においては、給与面で魅力を付加することは出来ないとしても、全ての従業員に「残業なし」を実行できる体制を整えたり、育児・介護に関する待遇を充実させたり、社長と従業員の距離が近く、問題を提起しやすい環境作りをしたり・・と、従業員さんが働きやすい環境を作ることで、離職率も減り、またその噂は従業員を通して外に広がり、自ずと人が集まる企業になっていくことが期待できます。

　上記についての詳細は、この「お役に立ちたい情報」にございます「人手不足解消法」　　　「残業時間削減への取り組み」「ワークライフバランスについて」の3つの記事にて、対策のご参考となる情報をご紹介させて頂いておりますので、お目通し頂けたら幸いです。

　また、事務作業での勤務時間削減の一案と致しまして「作業報告書 入力代行業務」、「積算補助代行業務」、現場作業員様のオーバーワーク解消手段として、又はお仕事が無くてお困りの場合はBtoB 無料マッチング業務を活用するという方法もございますので、是非当社までお問合せ下さい！